− ギターを抱えながら −


「ギター」と言っても、様々な種類がある。
エレキにフォーク、それに最近見かけぬクラシック。
どれも持ってはいるけれど、やっぱりクラシックギターが好き。
なぜって、いつでもどこでも気軽に弾けるから。
なんて、実は、他のはあまり弾けないだけなのだ。


いつでも一緒の仲間がいれば、エレキギターもいいだろう。
歌って踊って騒ぎたい奴は、フォークギターが手頃だろう。
僕にはそのどっちもないから、クラシックがぴったりなのだ。
と言ってもタレガやセゴビアをやるわけじゃない。


歌のない曲を、静かに聴いていたい。
でもたまには歌のある曲も弾いてみたい。
その時は軽く口ずさんでもいいし、口笛でもいい。
小さい頃自分で歌った曲でもいいし、
小さい頃両親が聴いていた曲でもいい。
そんな時、クラシックギターはちょうどいいのだ。


まあでも、どんなスタイルの奴とでも、
ギターを抱えて話をすれば、たいてい話は盛り上がるものだ。
川原だって公園だっていい。
飲みながらでも、ラジオを聴きながらでも構わないし、
一人でギターと向き合ってたっていい。
あまり肩に力を入れずに、
過去に弾いた懐かしの曲を繰り返し弾き続けるだけでもいい。


別にうまくなくたっていいし、うまくならなくたっていい。
そんな調子でのんきにやっていると、
ぎすぎすした気持ちはどこかに弾かれて、
意外と落ち着けるものである。


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