− バイクに乗ろう −


こんなことを言うと、
「そんな、危ない。」という声が聞こえてきそうです。
雨が降れば濡れるし、滑るし、
身体はむき出しで、何か起きてしまったら、
残念ながら必ずや痛い思いをすることでしょう。


しかし、僕は時にふと思うことがあります。
自動車は、中にいる人はどんどん安全になるけど、
外にいる人はどうなんだろう、と。
あれだけ幅を利かせて、あれだけスピードが出ても、
中にいる人は、悠々、快適、そして何より安全。
ドア越しの世界とは、何かがどんどんかけ離れてしまっています。


バイクは、とても小さな乗り物です。
スピードも、自動車と同じくらいしか出ません。
しかも飛ばして、何かあったら、
痛い思いをするのはたいてい自分なのです。
だから僕は飛ばさない、ではなく、飛ばせないのです。


そう、バイクは、そんなフェアな乗り物だと思っています。
保険とか保障とか安全という言葉ばかりがもてはやされて、
忘れかけている大事な何かを、
バイクは時に思い出させてくれます。


そして何より、鳥のように自由。
太陽や雨雲の位置を気にしてみたり、
日差しの暖かさ、草木の匂いや湿り気を感じつつ、
黙って一人、時には二人で仲良く、
風のように駆け抜けるのも悪くはないですよ。


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